一口に塗装といわれていますが、その内容の複雑さは建築業種の中でもトップレベル!!
ココでは、その塗装の基本をお話しましょう。
ほとんどの物質は太陽光線や雨風にさらされるともろくなり、最終的には朽ち果ててしまいます。これが劣化と呼ばれる現象で、この現象を防ぐために”塗装”をします。また、塗装には「色をつける」目的もあり、美観を守り資産価値をあげる効果もあります。
 では、塗装をしないとどうなるのでしょうか?
右に代表的な物の一覧を載せました。

対象物 現  象
水を吸い腐り、虫食いがおきる。
錆びる
モルタル 水を吸い割れて短期間で劣化する
ALC モルタルと同じ
コンクリート 中性化し中の鉄筋が錆び崩壊する。
 もし服を着ないでずっと外にいるとしたら人間はどうなるでしょうか?たぶん長生きは出来ないでしょう。実際にジャングルに住む裸族はあまり長生き出来ないそうです。
家も同じことです。塗装と言う服ナシで家を建てたら決して長持ちしません。
塗膜は1oにも満ちませんが24時間休まず家を守っているのです。
一般的に皆さんがペンキと呼んでいるのは「合成樹脂調合ペイント」(OP又はSOP)と呼ばれる油性の樹脂です。鉄や木など幅広く使用できることから普及はしていますが耐久性では時代遅れは否めません。一般的な水性塗料は「合成樹脂エマルション樹脂」(EP又はAEP)ですが、こちらも耐久性は高くありません。最近の水性塗料は耐久性も高く、溶剤を使用する塗料に劣らないものもあります。
下記に一般的な塗料の耐久性などを一覧としました。
種類 特徴 耐久性 価格
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合成樹脂 鉄、木部に幅広く使用できる 耐候・耐候性がよくない外壁への使用は少ない 2〜3年
アクリル樹脂 一般住宅仕上げの大半を占める 耐候・耐候性は△ 5〜7年
ウレタン樹脂 耐久・対抗性に優れる 施工後はアクリル樹脂との見分けは難しい 8〜10年
シリコン樹脂 より耐久・対抗性に優れる 施工後は他の樹脂と見分けが難しい 10〜14年
フッ素樹脂 現在最も耐久・対抗性に優れる 高額。例え数年で汚れても塗り替えられない 15〜20年
※気象条件等によって耐久性は異なります。
洋式塗料の伝来
  洋式塗料の“伝来”は開国まもない明治10年ごろの横浜であったといわれています。明治14年には、日本ペイントの前身である光明社が設立され、日本における洋式塗装の歴史は始まりました。それ以前はというと漆を使用した和式塗装が行われており、弊社の前身も塗師屋(ぬしや)でありました。
絹の都・前橋へ塗装の持ち込み
 
当社の創業は明治34年(1901年)ですが、洋式塗装自体はそれより前から請負っていたようです。明治10年ごろに洋式塗装の技術を会得するために一家で横浜に一時移り住み、数年後に再び前橋に戻ってきて、漆と塗料の両方を扱っていたということです。当時の前橋と横浜は絹の産地と出荷港として結びつきが強く、東京から離れた前橋であっても絹で儲けた金持ちが多く、高級品であった塗装の需要も多くありました。当時の得意先としては国鉄(現JR)、東京電力、や地元養蚕業者の名が残っています
戦後の塗装
 現在のような「ペンキ」が一般に使われるようになったのはもちろん戦後なのですが、昭和30年ごろまではニカワを煮て塗料を作る作業が行われていました。塗料の色も各社で独自に調合していたので色を作る技術の良し悪しも塗装業者を選ぶ重要なポイントとなっていました。
吹付の登場
 
リシン、ボンタイル(吹付タイル)の登場は建築塗装の世界を一変させました。それ以前は手塗りが全てであった塗装においてコンプレッサーなどの機械を使用するようになり、また吹付け独特の模様をつける作業が工程に加わりました。当初は塗装と左官の中間ぐらいに位置していたのですが、徐々に塗装職人が施工するようになりました。そんな中で吹付け工事を専門に行う業者も出てきました
リフォーム会社の台頭
 
1990年代初め神奈川の同業者より地元リフォーム業者とのトラブルの話しを聞きました。大手塗料メーカーの商品を添加剤などを加えることで「オリジナル」とし、特許商品ということで、常識では考えられないほどの高額で塗替え工事を行っているということでした。ただ高額なだけでなく二流、三流で仕事にあぶれている職人を使って工事をしているため、いたるところでトラブルが続出しているというものでした。その頃はすぐに無くなると思っていたそんなリフォーム店が現在では皆さんのご存知のとおり至る所に存在しています。
現在の塗装業界
 不況の名のもと、ダンピングや不当な請負金額の強制等により塗装自体のクオリティーはどんどん下がってしまっています。一般の方は「職人=こだわり」と考えている方が多いようですが、それはあくまでも真っ当な金額を出してもらえる場合の話なのです。いくら職人といえども常に損してまでは仕事にこだわりをもてません。ですから安くていいものは存在しないのです。安いのは安いものです。といっても高いからといっていいとは限らないのがこの世界の難しいところなのです。