材料選びは本当に重要なポイント!一言にペンキと言われている塗料は建築業界の中でもずば抜けて種類の多い材料なのです。ここではその材料についてお話します。
  塗料は大きく分けると下塗り・中塗り・上塗りの3つに分類できます。現在では一部の塗料を除いて中塗りと上塗りは同一のものを使用しますので、ここでは下塗り、中上塗りの2種類で分けてもよいでしょう。
 では、もう少し細かく分けてみましょう。
全ての塗料は水性と油性に分けられます。さらに下塗りはシーラー・フィーラー・錆止め等の用度別に、上中塗りは合成樹脂・アクリル・ウレタン等の種類別に分類できます。また、それぞれが下地や条件によって使えるものが異なるので、同じ樹脂でも使用方法が異なるケースも多々あります。
ちなみに大手塗料メーカーの総合塗料ファイルはタウンページ(都内版)1冊より厚いです。
 塗料は樹脂を液状とするために“希釈溶剤”を使用しています。その希釈溶剤が酢酸エチル等で水で希釈できるものが水性塗料です。キシレンやトルエン等で、専用の希釈材を使用するのが油性です。水性塗料は発売当初のイメージが強く、耐久性が悪いのではないかと思われがちですが、 最近開発された架橋型の水性塗料は水が蒸発することで反応が始まり、乾燥後は油性塗料に引けを取らない性能を発揮します。油性塗料はニオイがきついイメージがありますが、トルエンの代わりにミネラルターペンを使用してニオイを抑えた商品が主流になってきています。
 基本的に下塗りは上塗りを長持ちさせ、きれいに仕上げさせるためにも重要なものです。化粧ならファンデーション、フライなら溶きタマゴと言ったところでしょうか。特別な機能を持った下塗り材もあり一概にはどの下塗り材が良いとは言えません。
 最近の外装用塗料の中には「下塗り不要」とうたった材料もありますが、密着の良さや仕上がり感を考えると下塗りを入れたほうが良いです。
 外壁の場合はシーラーやフィーラーと言った下塗り材を用います。シーラーは密着性を高めます。フィーラーは加えて巣穴や多少の凸凹を埋める役割があります。最近では軽微なひび割れを埋め、割れに追従する微弾性フィーラーが広く使われています。
 下塗りの選択は塗装の大変重要なポイントです。適切な下塗りは上塗りをより長持ちさせます。
主な下塗り材
外壁
屋根
シーラー 下地と上塗りを密着をさせる
含浸型シーラー 下地に浸透し固める
外壁 フィーラー 巣穴や、ごく小さなヒビ割れを埋める
微弾性フィーラー 微量だが伸び縮みし、ひび割れの動きに追従する
鉄部 錆止め 錆を止める。用途で使い分ける
厚みが違うシーラーとフィーラー
●木部 ●錆止め
木は水と同様に塗料も吸ってくれるので「密着性」と言った意味での下塗りは必要ありません。むしろ吸込み止メに下塗りを入れます。外部は剥がれやすいので下塗りは入れず、透湿性のある上塗り材を何度も塗ると長持ちします。  なぜか錆止めは気を使われることの少ない材料です。当社ではJIS-K-5625レベルを一般錆止め材としています。しかし、一般的には安価なJIS-K-5621が使用されているようです。
強力に錆を抑える力がある。一液型と二液型があるが、二液型のほうがより強力。
塗膜が水分の浸透を防ぐ性質が大きく、かつ長期にわたってその変化の程度が小さい。
一般錆止め塗料。屋内外で錆止め効果を発揮。

※中性化・・・・コンクリートはアルカリ性を帯びているが、劣化が進むにつれてアルカリ分が抜け中性化する。すると中の鉄筋や鉄網などが錆びコンクリートを破壊してしまう。
●特別な下地
 長い間ほって置かれて古くなってしまったコンクリートは中性化が進み中の鉄筋や鉄網を錆びさせてしまいます。その劣化を止めるため特別な処理を行います。その場合には次の工程で『下塗り』を行います。当然ですが費用も掛かります。
@ 含浸型シーラー
A ポリマーセメント系防錆防食塗材
B セメントフィーラー
C シーラー
 一部の塗料を除いて、中塗りは上塗りと同じ塗料を使います。樹脂同士の相性の問題もあり、簡単には“違うものを塗り重ねられない”のです。中塗りと上塗りの色を変えてほしいという方がいますが、色の仕上がり感や耐摩耗性のことを考えます と同色のものを使用した方が良いのです。では、どういったものが中塗りと上塗りを違った塗料を使うのかというと、主に高額なフッ素樹脂塗料などを使用する場合は“価格を抑えるために”中塗りにウレタン樹脂塗料等を使います。
先ほども書きましたが、一部の材料を除いて中塗りと上塗りは同じモノを使います。上塗りを2回塗ることで規定の厚さを付け、塗りムラなどをなくします。また、厚みをつけることで機能を発揮する防水系塗材などは2回以上塗る場合もあります。  10年以上前は外装の上塗りと言うと溶剤系のものがほとんどでしたが、現在は水性のものが主流になりつつあります。材料が進歩し、溶剤系に劣らない耐久性を得てきたからです。
主な外装材の機能と価格のレベル
手塗りVSスプレー塗り
 後のコーナーでも触れますが、手塗り=丁寧とか、スプレー塗り=高技術と言うわけではありません。適材適所、適工法です。
水性VS溶剤系
 水性塗料は耐候性が悪く外部での使用は長持ちしないというイメージがありました。しかし、水性反応硬化型塗料の出現でその観念は変わりました。2次元(平面)でしか結合できなかった分子が3次元(立体)で結合できるようになり、その性が格段に上がったからです。未だ低汚染性やなどの機能面では溶剤系のものが優れている塗料が多いですが、一部の商品で、その性能を上回るものも出てきています。環境問題の観点からも水性塗料の研究と性能は進み、数年前から高級車の塗装も特殊な水性塗料で行われています。
厚塗りVS薄塗り
 「厚く塗ったほうが長持ちするのでは?」と考えがちですが、塗料もWAXやメッキと同様で薄く何度も塗ったほうが長持ちします。しかし、防水などの性能を持った一部の材料は厚塗りをするように出来ています。どんな塗料も適切な厚みと言うのがありますので厚塗り=高級とは考えないほうが良いでしょう。