ペンキはただ塗るだけではありません。塗り方、混ぜ方、作り方、色々なHow toも存在します。補修工法などはまるで外科手術のよう!知識と熟練が必要なのです。ここでは、普段公開されることのない工法の話をします。
 昔は刷毛だけでどんなものも塗ったのです。ですから、実に数多くの刷毛があり、職人は刷毛を大変大事に扱ったのです。しかし、最近は大きな面はローラー塗りに取って代わられた為、幅20cmぐらいまでの比較的細幅のものや、壁・天井や床のチリ際を塗り分けるのに刷毛を使用しています。ちなみに本当に上手な職人さんはマスキングテープを使わずに曲がることなく塗り分けられることが出来ます。また、刷毛使いのウマさは扉ほどの大き さのベニヤに薄めたオイルステインをムラ無くぬれるか見れば分かります。どちらも最近はなかなか見られない技となってしまいました。
 こんなハケ塗りはダメだ!
 ハケ目が通ってない
 はみ出ている
 かすれている
 透けている
 刷毛よりも早く大きな面を、キレイにムラ無く塗りやすいことから天井や壁を塗るのに用いられています。また、スチップル等の特別な意匠を付けるも
 こんなローラー塗りは出直せ!
 マダラになっている
 塗料の溜りがある
 かすれている
 透けている
のや、高粘度や砂骨入りの材料を厚塗りするのに使用されています。アメリカで開発されたローラーは、もともと家庭用でした。平屋の建物が多く、日本人ほど仕上げ方に厳しくないことから、家の塗り替えは主婦の仕事なので、こういった便利グッズのは多く存在するのです。
現在日本で売られているローラーはほとんど日本のメーカー製で、日本上陸後に独自の進化を遂げたものです。
 もともと刷毛では塗れない乾燥の速いラッカー塗料を塗るために開発されたもので、当初は自動車の塗装に使われていました。初めは、カップに少量の塗料を入れて吹き付ける方法のみでしたが、現在では圧をかけて塗料を吹き付けるエアレスや、骨材入りや高粘度の塗料を圧で送り出し吹き付ける圧送機が開発され、ビルなどの大きな建物には使われています。しかし、一般住宅は取り回しやすいカップ式がまだまだ主流です。最近は、飛散や養生による換気の問題から、家の塗り替え においてはリシンや吹付けタイル、メタリック塗装などの「吹付けでなければ施工できない塗装」以外はローラー塗りで施工することが多くなってきました。
 こんなスプレー塗りは迷惑だ!
 塗料がたまっている
 吹付けで作った模様が変だ
 透けている
 養生をきちんとしていない
刷毛 ローラー リシンガン エアレスガン
 先ほども触れましたが、工法は「手塗り」と「スプレー塗り」の2つに分けられます。手塗りはハケ及びペイントローラーを用い直接塗りつける工法です。スプレー塗りはコンプレッサーなどの機械を用いて材料を吹き付ける工法です。スプレー塗りは乾燥の速い塗料のためにアメリカで編み出された手法で、始めは主に自動車塗装に使われていました。建築塗装で頻繁に使われはじめたのは高度経済成長後のことで、始めは少量を容器に入れてエアー(空気)で吹付けていましたが、現在では材料とエアーを一緒に吸上げ吹付ける機械が現れ、大型物件などでは用いられるようになりました。 手塗りの長所は、
  @材料の飛散がごく小量である。
  A塗替え時は窓を全て覆わなくても良い。
 短所は
  @塗膜の厚さが付きづらい。
スプレー塗りの長所は、
  @塗幕の厚みが付けやすい。
  A工程が多い塗装でも短期間で出来る
 短所は
  @塗料が飛散しやすい。
  A養生をするので、換気が難しい。

 どちらも一長一短ありますので現場によって適した工法を選ぶ必要があります。このような説明もなく、どちらか一方の工法を強く勧める業者は技術に疑問を持ったほうが良いでしょう。
 建築資材が発する化学物質が健康に与える影響が話題になり、室内に使う塗料などはF☆☆☆☆(フォースター)を最高に基準が出来ました。外部については空気がこもる事もないので、今のところ基準と言うのは設けられてはいないです。しかし、ニオイ等の体で感じられる問題も存在することから、その扱いは慎重に行うようになってきました。外国では建築における屋外でのスプレー塗装を全面禁止した地域もあり、日本でも近いうちに有害物資を含んだ塗料は屋外でのスプレー塗装を禁止されるかもしれません。